準々決勝ドイツ−アルゼンチン
ドイツ4強、アルゼンチンに4—0 FWクローゼ好調
ドイツ、アルゼンチンに4—0の完勝 4強入り W杯
この試合はテレビ観戦したが、今大会もっとも運動量の多い国の1つのドイツと今大会もっとも運動量の少ないアルゼンチンの戦いとなった。それを象徴する現代サッカーの2つの流派の戦いとなった。
アルゼンチンは足下へのパスしてはリターン、足下へパスしてはリターンしながら、様子も見ながら徐々に前線に上がり、ここぞという時は個の力で一気にシュートまで持ち込むスタイルのサッカー。それゆえ、前線の選手と最終ラインの選手とは役割分担がはっきりしている。
これに対して、ドイツはコンチネンタルサッカーの本家本元の1つ。最終ラインからショートショートロングのワンタッチパスやパスアンドゴーで攻め上がる、展開サッカーが持ち味。守るときはFWも帰って来て全員で組織的に守る。そのため、攻守の切り替えが早く、カウンター攻撃では全員が一気に駆け上がる。それゆえ、体力、走力を要求され、当然運動量が増える。
前半は開始3、4分のFKの失点を除けば、両者ほぼ互角でともに持ち味を出し切っていた。しかし、後半になるとアルゼンチンが怒濤の攻めで得点を狙いに来たが、その10分を過ぎると責め疲れ、一瞬の隙をつかれてドイツの展開サッカーが炸裂。
後半の中盤以降はアルゼンチンにもう走る力はなく、ドイツの攻めの前には戻る力がなかった。ゴール前で数的優位を作られ、まるで高校生相手のサッカーのように簡単に失点を積み重ねた。メッシも走る余力がなくコンディションの悪さを物語っていた。
しかしながら、やはり今大会はジャブラニボールの影響が一番の問題だったとい言える。この試合でもメッシ他アルゼンチンのシューターたちをジャブラニが相当に悩まされていた観がある。
メッシのFKはことごとく枠を外す。日本やドイツなどアディダス中心の国々だけがこのジャブラニの世話になっていて、大半の国々は旧式のナイキのサッカーボールを使っていたわけである。この差は相当に大きいように見えた。
まず第一に、ジャブラニは軽くて、はねすぎる。第二に、ボールの軌道が不安定で後半に伸びすぎる。そのため、FKやロングパスで多くの国々の選手たちが戸惑っていた。もちろん、GKが一番戸惑っていた。
そんなわけで、ボールの決定はやはり多数決で決めるのが一番フェアーな方法だろう。今回は、ドイツの陰謀のニオイがする。この意味で、自国有利となるように仕込んだジャブラニを作ったアディダスはワールドカップでは使用禁止にするのが良いのだろうと私は見る。もしごく普通のサッカーボールなら大会の結果は大きく異なるものとなっただろう。
スポーツの超大企業に翻弄され続けているのが、今のFIFAワールドカップサッカーである。